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それが恋、それが愛
15

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「日野、大丈夫か?」
「…大丈夫じゃない」
「バスケットボール頭に当たったもんな…」
「…………ん」


俺と遥くんは一緒に下校していた。
保健室まで迎えに来てくれた遥くんに感謝しつつ、俺は下を向いたまま白線の上を歩く。

まだ顔が赤い気がする。


そんな俺は、あいつにキスされたことが頭の中で巡っていて、頭の痛さなんてわからなかった…。



「……日野?」


突然立ち止まった俺に、遥くんは声をかける。

そんな遥くんに、下を向いたまま、俺は口を開く。



「…遥くん、一つ質問してもいい?」

「質問?……いいよ、何?」




「あのさ、…遥くんは好きな人にキスしたりする?」


俺は、遥くんをまっすぐ見つめて、そんな質問をしていた。



「………日野、質問はそれであってるのか?」


俺の質問があまりにも唐突すぎて、遥くんは少し驚いていた。


「…真面目に聞いてる」


「……そっか、ごめん、……まぁ、好きな人だったらするだろうな」



俺の質問が真面目なものだとわかった遥くんは頭をかきながら照れくさそうにそう言った。




「…それが男でも?」
「え?」

「好きな人が男でも遥くんキスする?」
「ちょっ、日野落ち着け…とりあえず、落ち着け」



俺の質問に慌てる遥くんを見て少し落ち込む。


「…やっぱ、普通男にキスなんかしないよな……」

「あー…まぁ、俺だったらちょっと無理かもだけど、…好きな人だったら、するんじゃないか?それが男でも」
「…男なのに?」
「好きなら性別関係ないんじゃねー?」
「…………」
「そういう人もいるってことだよ」
「…俺、やっぱわかんないや」


遥くんに聞いてみたけど、やっぱりよくわかんなくて、俺は下を向いたまま歩き出した。

そんな俺を見兼ねた遥くんが俺の頭に手を置いて髪をわしゃわしゃしてきた。


「ちょっ、遥くん、」
「今はわかんなくていいじゃねー?」
「…え?」
「焦って答え見つけなくても、そのうちわかる時が来るよ」
「………」
「日野は普通にしてればいいじゃん」
「遥くん…」
「今はそれでいいんじゃねー?」


そう言って笑った遥くんはやっぱりかっこよくて、遥くんと友達で良かったと心の中で思っていた。

ほんとは、わかるときなんて来なくていいと思ったけど、遥くんに変な心配してほしくなかった俺は、もうこのことは考えないことにした。

自分の好きなように生きる。

俺はそう心の中で誓っていた。

あいつに振り回されてたまるかっ。




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