それが恋、それが愛 13 **** 「………はっ」 目が覚めた俺はベッドから起きあがる。 「………はぁ、なんだ夢か…」 変な夢を見ていた俺は、場所が保健室だと気づいて、ほっとした。 「熊に頭を叩かれるとか……」 うぅっ、と夢の内容を思い出して俺は1人震えていた。 それにしても、…頭が痛い。 なんかさっきからガンガンする。 「……なんでだ」 「……頭にボールが当たったんだよ」 「へ?」 声にびっくりした俺は顔を上げて声の聞こえた方に目線を向けた。 そこには、椅子に座ってこっちを見ている、あいつがいた…。 「ななななんで、椎名がここにいるんだよ!」 びっくりした俺は、動揺しながらも椎名に叫んだ。 「お前を連れて来たからに決まってんだろ」 「……俺を?」 「……お前、バスケットボール頭に食らって気絶してたんだよ」 「………あ、」 椎名にそう言われて、ボールが俺の頭に当たったのを思い出した。 だから、頭が痛いのか…。 「……まだ頭痛むか?」 「え?」 椎名から思いもよらない言葉が返ってきて少し驚いた。 また、…何か企んでるんじゃ…。 「……何も企んでねぇよ」 「……なんでわかった」 「顔に書いてんだよ」 俺の思っていることがわかったあいつは、そう言って立ち上がり、ドアの方に向かう。 それを見ていた俺はふと、ベッドに視線を向けた。 ……水まくら…。 ベッドの上にはタオルに巻かれた水枕が置いてあった。 もしかして、…これ、あいつが…。 [*前へ][次へ#] |