それが恋、それが愛 12 遥side 「日野っ?!」 女子が投げたボールが誤って日野に当たり、俺は急いで倒れた日野に駆け寄った。 「日野、日野…大丈夫か?」 「………」 日野を抱き抱えて、声をかけてみたけど、日野は気を失ってるみたいで返事はない…。 日野が倒れたこともあって、周りでは、男子と女子が騒いでいた。 …日野を早く保健室に連れて行かないと…。 そう思った俺は先生に言って、日野を保健室に連れて行こうとした。 「どけ、俺が連れて行く」 そう言って、椎名が俺のとこにやって来た。 椎名の行動に俺は驚き、固まっていた。 そんな俺なんかお構い無しに、椎名は日野を抱き抱えて歩き出す。 「………椎名、」 「邪魔だ」 そう言って日野を抱えたまま、椎名は体育館から出て行った。 椎名のその行動にこの場に居た全員が驚き、最終的に体育館は女子の悲鳴で大騒ぎになっていた。 俺は椎名のその行動を、ただ見ていることしか出来なかった…。 「……あいつ、あんな怖かったか…」 そんなことを思いながら、後で日野の様子を見に行こうかと俺は頭を抱えていた…。 遥side終わり [*前へ][次へ#] |