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それが恋、それが愛


「…うっ…うっ」
「…日野、元気だせ」
「だって…」
「女子ってのはあんなもんだ」
「おぉぉぉぉぉ」


俺は机に突っ伏して泣いていた。
とても悲しかった。

そんな俺を慰めてくれる遥くんは相変わらず優しい。


俺は休み時間の間、クラスの女の子たちほぼ全員にあいつのことについていろいろ聞かれていた。

すごい迫力で正直怖かった。
…ほんと怖かった。



「…日野、もう女子のことは気にするな、初めてで驚いたかもしれないけど」
「……初めてじゃない」

「…日野?」


「…俺、思い出した、あいつのせいで俺は…うっ」

「…日野」


あいつのせいで女の子たちに何度か責められていた中学時代を思い出した俺は、また泣いた。

あれは嫌な思い出だったから思い出したくなかったのに…。


中学時代のつらい思い出がフラッシュバックして、とても悲しかった。




「日野、いろいろあったんだな…」
「……ん、」


そんな俺を慰めてくれる遥くんに感謝しつつ、必死に涙を止めようと頑張った。


「後で話聞くから、もう泣くな、」
「……うん」

「よし、音楽室行くぞ」


俺を励ましてくれる遥くんはやっぱり優しくて、俺は涙を拭いて、遥くんと一緒に音楽室に向かった。


後からあいつへの怒りが込み上げてきて、俺は、おもいっきり大声で歌っていた。
先生に注意されても気にしない。





****



「……失礼しました」


職員室から出てきた俺は猛烈に叫びたい気持ちでいっぱいだった。

音楽の授業中、歌っているとは言えないほど叫びまくってた俺は先生に呼ばれ、今まで怒られていた。

そのおかげで昼休みの半分がなくなった。



「……はぁ、俺は悪くないのに」


…全部あいつが悪いんだ。



「椎名のばかやろぉぉー!」


椎名への怒りを押さえることが出来ず、俺は職員室の前の窓から叫んでいた。



「……俺がなんだって?」
「うぉぉぉぉ」


突然、俺の肩に手を回してきた椎名にびっくりする。

そんな椎名はやっぱり嫌な笑みを浮かべていた…。



「…お、俺に何のようだ」


椎名に警戒しつつ、肩に回していた手を払いのけてそう聞いた。



「お前には用はねーよ、俺は職員室に用があんだ」


椎名は払いのけられた手を戻して、職員室を指指しながらそう答える。



「…だったら俺に声かけんなよ、てか、周りの女の子たちはなんだ!?」


椎名から離れ、周りを見渡した俺は、数人の女の子たちが椎名を囲んでいたことに気づいて椎名に叫んだ。



「…お前には関係ねーよ」
「なっ、」

「………」



椎名はそっぽを向いて、俺に教える気はないと、態度で示してきた。

そんな椎名に俺は怒った。


「…あぁ、そうだよ、俺には関係ねーことだよ…」

「………」

「だけどな…」

「…………」




「見ててムカつくからしかたねぇだろぉぉ!」


そう叫んで、椎名に不満をぶつけていた。

叫んだ俺は周りの目なんか気にしない。

そう言い捨てて、俺はどすどすと廊下を歩いて行った。

…俺だって、女の子にモテたいんだ。




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