鷹龍学園 俺様鬼 ―――――― ――― 「…おぃ、葎、逃げんな。」 「逃げんなって…普通逃げるだろ。」 お前は鬼、俺は逃げる人! わかってんのか。 俺は今、非っ常ーに危険な状況に追いつめられていた。 俺の背中には壁、そして、2、3歩先には…俺様。 俺は晴先輩から逃げたあと、恭哉を探すため校舎内を歩いていた。だけど、その途中に舜にあってしまい、追いかけてきた舜から逃げていたら、いつの間にか俺はどこかの教室に追い込まれ、そして、今に至る。 あー…俺のバカ。 なんで、教室なんかに入ったんだ!逃げ道ねぇじゃん! 「……葎、「ちょっとまったぁー!…それ以上近づくな。」 俺が舜にそう言うと、舜はその場に立ち止まった。 …めっちゃ不機嫌だけど。 「……葎、お前、大会が始まる前、どこにいた。」 「……え?」 なんだいきなり…。 「お前、列にいなかっただろ。」 「…あ、それは…」 …うん、言いづらい。 それに、めんどくさい…。 「…ちょっとトイレに。」 「……嘘だろ。」 「………。」 ……なんでわかんだ。 「…まぁ、いいや。葎、お前のチップよこせ。」 「いやだ。」 誰がお前なんかに渡すか! 「……なら、俺が奪うだけだ。」 舜がそう言ったかと思えば、舜と俺との間合いが一瞬にしてなくなった。 俺の目の前には舜の体。 俺の顔の横には舜の手。 しかも両手。 そして、上を向けば にんまりと笑う舜の顔。 俺、…ヤバくねぇ? [*前へ][次へ#] [戻る] |