鷹龍学園
2
「…俺は兄貴が嫌いだ。」
「え?……なんで?」
てか、いきなりすぎ。
「…なんでって…嫌いなもんは嫌いなんだよ…。」
「……恭哉。」
そう言った恭哉は、どこかつらそうで、…いつもの生意気な恭哉じゃないような気がした。
恭哉…もしかしたら…
「……恭哉、1つ聞いていい?」
「……何。」
「なんで、泰先輩が嫌いなの…?」
「……なんでそんなこと聞くんだよ。」
「…だって、泰先輩…、
俺の兄貴より…
かっこいいじゃん。」
「……はぁ?」
「ほら、俺の兄貴あれだろ。俺にめっちゃべったりで、すぐ俺に抱きついてくんじゃん…。まぁ、それはそれで嬉しいんだけど、そのせいでいつもみんなに迷惑かけるじゃん…。俺、みんなに迷惑かけるの嫌いだし。…泰先輩はそんなことないだろ。真面目で優しいし、仕事だってちゃんとこなす、めっちゃいい兄ちゃんじゃん。」
俺もあんな人になりたいな…。
「……そんなことないよ。」
「え?」
「…それに、兄貴が優秀だったら、その分…弟は苦労する。」
「……どうして?」
「……兄弟だからって、みんなに比較される…。それに、兄貴の弟としか見てくれない…。…俺はそれが嫌だ。」
…恭哉、もしかしてそれが嫌で、みんなにあんな態度を…。
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