鷹龍学園
大会の決まり
「雅人!何、意味わかんないこと言ってんだよ!てか、葎に抱きつくな!」
俺と雅兄を必死に剥がそうとする晴先輩。
お約束だな…。
だけど、雅兄は晴先輩の言葉になんの反応もせず、ただ、無言で俺に抱きついていた。
……ホントに離れない気だ雅兄。
「……葎、ホントごめんな。」
「……泰先輩。いや、こうなったのは俺のせいでもあるんで…。」
…そう言ってる自分がなんか悲しいけど…。
てか、ホント泰先輩には謝らせてばかりだ…。
「……そっか。でも、どうしようか…。」
「……。」
そこで俺に抱きついている雅兄を見る。
がっちり腰を掴んで離そうとしない。
はぁ…、
「…あの、雅兄抜きで大会は出来ないんですか?」
他の人が代わりに説明すればどうにかなるんじゃ。
「…それは出来ないんだ。ほら、この大会の決まり。」
「…決まり?」
なんだその決まりは。
「………参加しない人は退学…。」
「え、…それマジなんですね。」
うわぁー…俺、まだ少し疑ってたのに…。
「だから、雅人が参加しないってのは無理なんだ…。それに、このままじゃ葎も参加出来なくなりそうだしな…。」
あ、
「……俺、それだけは嫌です。」
だって…退学なんて、絶対嫌。
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