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新感覚RPG Sexual Fighter(本編)
◆ちぐひの心境◆
惚】『ちぐひさん!好きです!!』

惚乃花は思い切って頭を下げると、そう叫んだ。

全】『…?!!』

一同唖然とする。

その違和感に気付くのに数十秒を要した。

惚】『あ…』

おかしい…こんなハズではなかった。
惚乃花は『ちぐひさん、ありがとうございました』と言おうとしたのだ。

惚】『え…違ッ違う!好きじゃない!!
いや好きだけど…そうじゃなくてッ
ありがとうございましたッて思ったのに私、なんで好きなんてッ
違うんでsかホ@みてwdゆ多bpdgnM…!』

惚乃花はかつてない程に顔を熱く赤くしていた。
言葉にならない声で必死に弁解している。

ち】『あはは!私も好きだよ!
なんか昔の自分見てるみたいでほっとけないんだよね』

惚】『えぇッ?!
いや、ハイッ
ありがとうございます…』

ち】『あんたはもう一人前のソープ嬢として文句ナシだから!
安心して頑張りな』

惚】『…はい。
本当にありがとうございます…』

ち】『おう!応援してるよ!!』

ちぐひはそう言って惚乃花の肩を抱え込み、ポンポンと叩いた。

こうして見ていると、確かにどことなく似ている。顔のパーツや髪型、体つきから性格まで全然違うのに、不思議とこの二人には近しい何かがあった。

全員が卒業を惜しむ中、高弘だけは一人物憂げに黙っていた。
焦るような、余裕のない表情で立ち尽くしている。

ち】『高弘、あんたも頑張んなさい』

ちぐひはそんな彼に首だけ傾けながら呟くように言った。

高】『はい…頑張ります。
ちぐひさんも無理はしないでください』

そう言って高弘はペコリと頭を下げた。
ちぐひは黙って応じる。

ち】『さぁもう出発しなッ!!
桜と高弘は出勤初日ッしょ?!さっさと支度するッ
勝は事務所に行って仕事もらってきな!
藍は試合に備えてやる事あんでしょ!
惚乃花はコピー作業!さっさと済ませなさい!

蓮様、お気を付けて行ってらっしゃいませ…』

ちぐひのあからさまな態度の豹変にももはや慣れた一行。
手を降るちぐひを背に歓楽街に歩き出す…


桜は面持ちは綺麗に整い、身体も細くスラっとしている。
元々の性格も社交的ながら、飲み込みも早かった。
ジョルジュも着いてるし、まず心配はいらないだろう。

高弘もなんだかんだ容量の良い世渡り上手だ、問題ない。

藍はバリバリの戦闘タイプ、それも特攻型だ。
それにアンデットと舐メッコ星人の特性は心強いハズ…

勝も向上心が強く、馬鹿だが頼りにはなる奴だ。
スナイパー要素の強い性獣士にアンデットは大きくプラスになるハズだ。
こいつも心配要らない。

惚乃花の場合、顔、身体共に男ウケ間違いなしなのだが性格が心配だった。
もちろん慣れない素人さやシャイな印象は客としてはそそるだろう。
問題は本人の気持ちだった。
コピープログラムを使うとは言え自分自身が仕事をしているのを目の当たりにする訳だ…ショックはないだろうか…

まぁ重役である蓮には会社ぐるみでの特別扱いがされている。
ラッキーさ、楽さ、危険の低さ…どれも不公平過ぎるぐらいだ。
その彼とベッタリとくっついて居るのだから神経質になることもないかもしれないが…



徐々に遠退いて行く一行の背中を後目に、小さくため息を一つ。
我が子を思う親のような心境だった。
過酷な修行の末に芽生えたのは厳しい師弟関係ではなく、一つの友情だったのかもしれない…


ち】『掘られなければどうと言う事はない…性欲の強さが戦力の決定的差ではないことを教えてやれ。

…認めたくないものだな、若さ故のあやまちと言うものは…

まだまだ終わらんよ、私とてThe ACEのはずだ。

…見える!私にも敵が見えるぞ!!』

宇宙で闘い出す様な言葉を残して、ちぐひもまたパセラへと帰って行くのだった。

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