新感覚RPG Sexual Fighter(本編)
◆ヌルヌル◆
飽きれたような顔をしたちぐひは浴槽を出てビニールを空気で膨らめたマットを持ってきた。
頭の来るところにタオルを敷いたり細かい準備を始める。
そのうち洗面器にかなり熱めの湯を注いでなにやら蜂蜜の入れ物みたいなボトルを手に取った。中身は透き通ったピンク色をしている。
惚】『それ・・何?』
浴槽に取り残されたままぼーっと見ていた惚乃花がポツリと聞いた。
ち】『生ローションだよ。』
普通に市販されているものはコレをすでに薄めたものらしい。ちぐひはそれをドボドボと洗面器の湯の中に落として行く。ピンクのスライムのような物体がお湯の中でふわふわと揺れる。
ち】『かなりお湯熱めじゃないとうまく溶けないんだよね。混ぜてるうちに冷めるし、あんまり熱かったら水足して使えばいいから。』
ちぐひは両手を洗面器に入れてチャポチャポッと音を立てながら混ぜ始めた。
ピンクの塊が段々とお湯に馴染み全体が均等な薄いピンクになっていく。
惚】『へぇ・・きれい。』
さっきまでの恥ずかしさを忘れて妙に感心してしまう惚乃花。
『あ、マット暖めてね。ヒヤっとするの嫌でしょ?』
熱めのシャワーをマットに掛けてよく暖めると、ちぐひはさっき溶かしたローションをマットの上に撒き散らして自らその上にあがり、寝転がるようにして身体を使い全体に伸ばして行く。その動きはまたなんともエロかった。
ち】『終始人に見られてる事を意識しててね。一種のエンターテイメントだと思って。じゃあ、こっちに来てマットに寝てもらおうかな。お客さんをエスコートする場合は必ず手を貸してあげてね。ローションでかなり足元滑りやすいから。』
惚】『はぁ・・ヒャッ』
言ってる傍から足を滑らせそうになる。
ち】『ったく、気をつけてよ〜』
それからうつ伏せに寝かされると、背中にローションが垂らされた。
惚】『ぁ・・あったかい。』
ち】『そう。これは暖かくないと気持ちくないの。』
それから身体を擦り合わせるように背中に塗り広げられていく。胸の柔らかさがくすぐったいような気持ちいいような変な感じだ。
ち】『身体でこする、唇と舌で舐める、吸い付きながら舐める・・・大体この3回を繰り返すんだ。』
ちぐひ曰く、マットは「ゆっくり、しっかり押し付ける」が基本らしい。
そんな説明を受けながら様々な技を叩き込まれていく。はっきり言ってこんなことまともにされれば女同士でもおかしな感覚になる。
マットの説明が終わる頃にはすでに惚乃花は頭がぽ〜っとしていた。
ち】『しっかりしなさーい。』
惚乃花の身体についたローションを流すちぐひ。
これもまた勉強なのだ。
惚】『・・はひ・・・・』
それから、今後必要になる様々な知識や専門用語、マット以外の技も叩き込まれ全てが終わるまでにはすでに開始から2時間が過ぎていた。
ひ】『よく出来ました〜。』
しかし、この頃にはすでに惚乃花はちぐひの顔を直視できなくなっていた。
ちぐひの講習によってもたらされた感覚が身体に残って妙に意識してしまう。
ち】『やだ・・私の技に惚れた?あははは』
惚】『・・・』
真っ赤になって泣き出しそうな惚乃花。
ち】『・・・ごめんごめん。じゃあ、後は自習だからね。ココにある女性用ダッチワイフ。これ実際の店でも使うからコレで練習してね。』
惚】『ん?ぇ?お店で使うんですか?』
ち】『あーなんも知らないのか。ゲームとは言っても実際エッチするとなるとイロイロ問題あるじゃない?ほら、恋人とプレイしてる人多いし。』
惚】『じゃあ・・しなくていいの??』
ち】『まず、この超リアルなダッチワイフでプレイしてその内容を・・・ん〜カセットに録音するみたいに惚乃花の技量や能力や思考パターンとか細かいデータを撮るのね。実際お客さんは惚乃花とエッチしてる状態を味わうんだけど、それは惚乃花じゃなくてやっぱり超リアルなダッチワイフ男性用に惚乃花をそっくりそのままコピーしたものなわけ。』
惚】『・・・よかった。』
惚乃花は安堵のあまり涙が溢れて止まらなくなった。
ち】『でもね?変な店に騙されたりして就職すると本当に相手しなきゃいけない場合もあるの。だから気をつけてね?変だと思ったらすぐに逃げてくる事。DIOでココに通報すればすぐ助けにも行く。わかったね?』
惚】『ぅぅ〜・・・はぁい・・よかったよぉぉ・・・』
ち】『よしよし。ったく・・・。蓮さんの大事な人だから、傷つけるわけにもいかないしね。何があっても全力で守るから大丈夫。安心しなさい。』
泣いてる惚乃花はその言葉に気づかなかった。
しかし、なにやらちぐひには謎が多そうだ。
惚乃花とちぐひ。この二人に深い関わりがあることをこのときはまだ惚乃花も蓮も知らないままだった。
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