新感覚RPG Sexual Fighter(本編)
◆藍の場合B◆
なんだか勝と同じような展開を迎える藍。
正当後継者ではないが、彼の技は凄まじい力とスピードでパソコンの秘孔(キー)を打ちまくっていた。
藍】『…壊れるだろ』
藍の心配をよそに意外とタフなパソコンは軋みながらも裸オウの攻撃に耐え続けた。
裸】『うぬも秘孔を突けぇいっ!』
突如契約書てきな紙が空中から現れる。
藍】『いやソレ無茶振りだろ?!』
裸】『いいから突けぇいっ!!』
裸オウに一喝入れられ、やむ無く秘孔(拇印)を突く藍。
藍】『てりゃー』
あんまり気合いの感じられない声と共に指が突き出される。
しかし空中で安定してないせいか、拇印はブレまくって変に滲んでしまった…失敗だ。
藍】『やべっ』
まるでその後の展開を予知していたかのように、藍は直ぐに裸オウから離れガードの体勢に入った。
裸】『ヌゥッ!』
その0.2秒後に裸オウの拳が藍を襲った。
ガードごとブッ飛ばされた藍は無様に壁に叩き付けられて床に沈む。
凄まじい攻撃で既に体力は限界だった。
憤怒の表情でそれを見下ろす裸オウ。
描写が濃くてすごく恐い。
そしてたった今藍をブッ飛ばした腕が一直線に横たわる藍に向けられる。
ピンと伸びた人差し指が彼女の目を捕らえた。
見下すような、馬鹿にするような、
期待外れとでも言うような視線で裸オウは言う。
裸】『うぬの力、その程度かッ!』
その瞬間、藍の中で悔しさと怒りが沸騰し、噴き出すようなエネルギーが身体を駆け巡った。
藍】『うぉぁおぉー…』
唸るような声で立ち上がる藍。
全身が傷だらけだった。
…痛みはなかった。
彼女の脳は『倒す』ことしか考えていなかった。
藍の殺気と闘気に裸オウがニヤリと笑う。
裸】『ほう…まだ戦うというのか』
相変わらずの上から目線で応じる裸オウ。
藍は全身で咆哮を上げた。
…思えば初めて会う気はしなかった。
むしろ大分前から知っていたような気さえする。
コイツが中々出てこなかったり、やたらと強かったりするせいで何度貧乏させられたろうか…とか思っちゃうくらい初対面とは思えなかった。
とくに四時間粘ってやっと来たバトルボーナスなのに瞬殺された時は機械を壊そうかと本気で思った。
藍】『…今こそ決着をつけてやる』
藍は辛かった日々や失っていた大切な仲間(諭吉)達の事を思い出し、そして再び構えた。
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