新感覚RPG Sexual Fighter(本編)
◆お預けグランプリ◆
桜、高弘、惚乃花、蓮、藍、勝――…
六人を乗せたタクシーは、新宿――もとい珍宿に向かって走っていた。
痛客グランプリに参加していた藍、桜、惚乃花は、楽々突破した予選を棄権したのだ。
桜】『でもやっぱ勿体無かったかなー』
グランプリの影響で渋滞する道路を窓越しに眺め、退屈そうに桜はぼやく。
惚】『でもこっちが本当の目的なんですから…』
真面目な惚乃花が答える。
蓮】『うむ…申し訳ないが、花音を見つけることが最優先事項だ』
高】『いよいよ…ですからね…』
緊張気味に高弘が呟く。
事は前日の夜まで遡る…ちぐひから六人に届いたメールが、きっかけだった。
緊急ミーティングに強制参加させられ、会議の結果、急遽珍宿に向かうことが決定したのだ。
パセラ地下の一室で、いつもふざけていたちぐひやミッシェルの、超レアな真面目面を思い出す。
似合わな過ぎる神妙さと、鉛のような空気が漂う中、脇のベッドには淋病に苦しむアモーレの姿があった。
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