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新感覚RPG Sexual Fighter(本編)
◆歌う花音さん◆

花音が入店してから約一時間半…
彼女はすっかり酔っ払って上機嫌だ。


天】『じゃぁ〜歌でも歌うさぁ〜♪

デンモク取ってぇ!』



アモーレ達には微塵にも気付かずホストとじゃれあっている。



一方、アモーレ達は…




み】『なんかぁ〜コイツ、ホストやりたいらしくてさぁ。

でも夜職とか無縁な奴だからさ、右も左もわかんないみたいでー

だから一回ホスト連れてってやろーと思ったわけよ!』


ミッシェルが機転を利かせ、アモーレがホストクラブにいても不自然でない理由を作り出す。


二人の席は花音の斜め前で、様子を伺うのは安易だ。


花音は呑気にデンモクをいじり、お気に入りの曲を転送した。

すぐにイントロが流れ出す。


すると花音はDIOから録音機を出してセットしだした。

準備完了と同時に立ち上がると、まるでアイドルや歌手がステージに立つかのような振る舞いでリズムを刻み体を揺らす。

目を閉じ、幻想の世界にひたる姿はまるで何かが天から降ってくるかのようだ。

きっと彼女の頭の中では、たくさんのファンに囲まれ歓声を受け、拍手喝采の渦に包まれているのたろう。



やがてイントロは終わり花音の歌声が響く…。

その技量は意外にもなかなかのものだった。

妙に気取ったように体を揺さぶる仕草や、神と化そうと目を閉じて両手を広げる動作さえなければ、
普通に上手い。


やがて怪しい雰囲気を漂わせながら…曲は終わった。

どこか鬱気味な歌詞と、花音の不気味な動きがマッチし、店内はなんとも言えない空気だ。



変に静まる店内で、花音はただ一人マイペースに先ほど用意した録音機をいじりだす。

どうやら自分の歌を録音していたようだ。


天】『ちょっと静かにしてて!』

別に騒がしくもないのに制止の声をかけてから、再生ボタンが押された。

『OH〜〜YHEA〜〜♪』



天】『……』


店内にはまるでBGMのように花音の声が流れている。

みんながコメントし難い表情だ。


そんな空気すら無視し、一人真剣に耳を傾け続ける花音。





天】『あっ…ここ!
ちょっと息切れしちゃってさ〜
メロディー乱れたかも!って思ったんだけど………やっぱりねぇ。

微妙だなぁ…』



無論、本人以外の誰もがそんな変化には気付かない。


『そ…そんなことないよ…十分上手いし!』


一人のホストがフォローに入る。


すると………



天】『違うの違うの〜!
ちゃんと聞いて!』


と、巻き戻しボタンが押され…


天】『ほらここ、どう?』


と、延々と同じパートがリピートされてしまった……。

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あきゅろす。
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