新感覚RPG Sexual Fighter(本編)
◆お馬さん◆
惚】『あら…いつの間にか桜がいないです…』
藍】『あぁ、桜ならお腹空いたって言ってたし…
食事かな?笑』
惚】『……………………………。
ああー食事ですか』
何かを察した惚乃花は無理矢理に納得し、深く考えないことにした。
藍は食事(?)に走る桜をほっといて、更に酒を追加する。
ケース単位で追加したビールは、まだ半分ぐらい残っているが、他の二卓の消費もハンパない。
早めにキープするべきと踏んだのだ。
オーダーを受けたホストは千鳥足でヨロヨロだ。
見れば店内のホストは全員、殉職かゾンビのどちらかだ。
藍】『ったく、しょっぱい奴ら!
ホストって酒は得意分野じゃないわけ?
アタシを潰すぐらいの上物はいないの?!』
藍が凄むと、頑なに生き残りのゾンビ達は視線を逸らした。
そこへ…………
?】『おーい、こっちにもビールくれよ〜』
一人のホストがオーダーした。
品の良いスーツをあえて着くずすラフさが、鍛えられた体を露わにしてセクシーさを醸し出す。
背は高く、広い肩幅とシャツから覗く胸板…微かに香る香水が色気を放っていた。
これだけの酒が飛び交う中、彼だけは余裕を見せる唯一のホスト…!
立ち振る舞いからしてただ者ではない…
とくれば当然イケメンを期待するが、首から上は人間ではなかった。
漆黒のスーツにマッチした黒光りする肌…
図太いゴム性の皮膚が伸びる先…それは馬!!
よく中華街などで販売してる、妙にリアルな馬の被り物だ!
一人余裕を見せる酒豪ホストは、何故か馬の被り物…つまり馬マスクをかぶっているのだ!!
しかも!!!
そいつは酒だけ頼むと席に帰ってゆく…その席は先ほどからシャンパン合戦とビール合戦で激突する卓の一つだった!
馬マスクの横には、同じく余裕の表情のホストが一人…
オールバックに高級スーツを着込む品の良い出で立ち姿…
後ろ姿で顔は見えないが、そいつも相当強者のオーラが出ている!
今まで死角だったため目認することのなかったライバルを垣間見て、益々藍の闘争心は燃え上がった!
藍】『ちぃっ!
馬マスクなんかで目立ちやがって!!
ちょっそこのゾンビ!
なんなのあの馬マスクは!!!』
『うげっ…あっ…あれは多分…うっ…イベント用の…マスクで…す…………げほっ』
藍】『ふーん…あの黒馬…生意気。
ねえ!馬マスクもう一つ持って来て!
あんなゴキブリカラーの野蛮なのじゃなくて、高品質のサラブレットだからね!!!』
惚】『藍が酔ってきたみたいです〜』
藍は酔うと絡みやすくなり、何にでも対抗したがる癖がある。
元々好戦的な性格をしてるのが、酒によるテンションで拍車がかかるのだ!
藍】『安心しなよ惚乃花ぁ!
アタシ酔うまで早くても吐くまで長いよ!!
オラ早く持ってきな!モタモタすんなよ!』
こうなった藍は非常に心強い。
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