新感覚RPG Sexual Fighter(本編)
◆嵐の予感◆
惚】『私、初めてシャンパンコール聴きました！』
桜】『あれは確かに気分いいかもねー』
唯を中心に盛り上がる店内。
『さぁ！それではビンダ指名をどーぞ！！』
１人のホストが唯にマイクを向ける。
ビンダ指名とは、シャンパンをみんなのグラスについだ後、残ったボトルを瓶飲み一気する約を決める事だ。
コールの規模にもよるが、大体ボトル半分ぐらいを飲み干すことになる。
通常はコールに参加するホスト面子から１人選出する。
担当ホストの場合もあれば、女の子が飲む場合もあるのだが…
唯は予想外の展開を見せた。
向けられたマイクを奪いとると、立ち上がり前へ出る。
思えばこれが、悪夢の始まりだった。
唯】『………うさぎさん？』
ホスト一同】『……………………はい？』
唯】『そこでビール浴びてるウサギさん。
安酒ばかりじゃ舌が腐っちゃうわよ？
わたしからご馳走してあげる！！』
そう言って唯はかすみをビシっと指差した。
ホスト達は瞬時に青ざめる。
奥でビールを煽るかすみの目がピクリと反応した。
『ちょっ…唯さん！まずいっすよ？！』
『唯さん！？』
誰もがかすみと唯の衝突を考えた。
ここで掴み合いの乱闘騒ぎなど御免だからだ。
しかし…
かすみは立ち上がると、制止するホストをなぎ払いながら唯の元へ歩み寄り…
ピンドンのボトルを受け取った。
か】『ふーんっ。
面白いじゃん』
そう言ってピンドンを口元へ運ぶと、驚くべきスピードでボトルを飲み始めた！
ビール同様、凄まじい早さで瓶が空いてゆく。
現役ホスト顔負けのビンダでピンドンを飲み干すと、後ろに立つホストに空きボトルを押し付けた。
か】『ぷはっ！
飲み足んねーなぁ…飲み足んねーよぅ。
アンタだってこれっぽっちで満足する程安い女じゃないよな？』
そう笑いかけるかすみの表情は不敵だ。
か】『あたしからも、お返ししなきゃあね？
見栄と面子だけのクソ不味いシャンパンなんて趣味じゃないけど。
付き合ってやる！
ほら！ピンドンもう一本持ってきな！！
あたしからだよ！
唯さんよー？乾杯しようぜ？』
唯】『ふふん…そうこなくちゃ、興醒めさせないでよ？』
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