新感覚RPG Sexual Fighter(本編)
◆お店のシステムA◆
ドアノブの斜め下に設置されたタッチパネルで部屋の設定を行うらしい。
何も弄らなければ通常の部屋のままだ。
ちなみにシチュエーションに合わせた部屋の内装変えはオプション料金がかかる。
部屋の前まで案内したら、中に入る前に『本日のお部屋のタイプはいかがされますか?』と尋ねる事。
その際オプション料金が別途で発生することを伝える事。
それからドアを開け、中へ入る。
惚】『…って、え…一緒に部屋に入るのですかッ?!』
振】『んふぅ〜問題ありません。
まぁ百聞は一見にしかず…試しに入ってみてください〜』
惚】『えぇっ…』
強引に惚乃花は背を押され、恐る恐るドアを引いた。
中は先ほどコピー作業を行なったのと同じノーマルタイプの部屋のようだ。
警戒するように中へ足を一歩踏み入れる。
――――ヒュッ…
瞬間、突風が周囲を掠めた。
惚】『?!』
驚愕する惚乃花。
一瞬のうちに光景が急変していた。
接待部屋の入口に踏み込んだはずが、さっき見て回った待機室の入口に立っていたのだ。
惚】『えええええ?!』
混乱して挙動不審に回りを再度見回す。
ふと、壁にかかっている鏡を見ると、頭の上にハッキリしたピンク色の字で【接客中】と表示されていた。
看板でもくっついてんのかってぐらいハッキリとしているが、触ると透き通る。
どうやら映像のようだ。
惚】『ふぇ〜すごい…テレポートっていうのかな…?』
唖然としつつも改めて待機室を見回す。
豪勢な屋敷とは不釣り合いな程に庶民的な和室だった。
十畳程の部屋は大きな本棚にテレビ、コタツもある。
端の方に積み上げられた大きなクッションを自由に取り、接待嬢たちは各々くつろいでいる。
本棚には様々なジャンルの雑誌や漫画が置かれ、テレビの脇にはDVDが積み重なっている。
ふと目があった一番奥で漫画を読み耽るメイドに、惚乃花は軽く会釈をした。
部屋の隅にはもう一つ扉があり、その先は個室待機用の小部屋がある。
が、ナンバー上位のメイドが優先的に使うらしい。
というかほぼ独占状態のようだ。
間もなくして振股が待機室のドアをノックした。
振】『入りますよ〜』
相変わらずの口調でドアを開ける。
振】『んふぅ〜まぁこんな感じでテレポートしてコピーと入れ替わりますぅ、ハイ。
お分かり頂けましたでしょうかぁ〜んふぅ〜』
惚】『え…あ、ハイ。
ビックリしたけど…』
振】『お分かり頂けて良かったですぅ〜んふっ。
ちなみに待機中はこの待機室からは出られませんので…ハイ。
営業もできません〜
漫画やDVDでテキトーに時間を潰してください〜んふぅ』
惚】『え…あ、ハイ。
なんて言うか…随分楽な仕事なんですね…?』
振】『そりゃ〜基本はRPGですからねぇ〜ハイ。
職業とかもアレですよ、ドラ〇エぐらいに思って下さい〜んふ』
接客が終わると自動的に頭上の文字も消えるようだ。
するとまた部屋の出入りや営業などが自由になるわけだ。
振】『DIOでスタミナの残量をチェックして下さいね〜
あと接客したお客様の評価も希望すれば見れますのでぇ…ハイ。
気になるようでしたらどうぞ〜んふぅ』
一通りの説明をようやく終えると、既に夕方になっていた。
惚乃花はまだ接客用のメイド服もないので、一旦は帰り、明後日が初出勤ということになった。
ついでに振股はオススメのコスプレショップやランジェリーショップを教えてくれた。
惚】『まぁ…これならなんとかなりそうですぅ…』
惚乃花はそっと胸を撫で下ろした。
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