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新感覚RPG Sexual Fighter(本編)
◆双葉誕生◆
『お帰りなさいませッご主人様ぁ♪』

露出度の高いメイド服を身にまとい、甘ったるい声で客を迎え入れる接待嬢。

『入浴の準備は整ってますぅ。
それともお食事に致しますかぁ?』

愛想よく身を寄せて甘えながらも、誘導する仕草は洗礼された品のよいものだった。
イメクラ要素のメイドといえど、やはり『ご主人様』に対する礼儀作法は仕草から動作まで徹底されている。

店の雰囲気としてはコテコテの風俗というよりもメイド喫茶に近いものがあった。
各プレイコース別に用意された『接待部屋』に通されてからがソープとしての業務が始まるシステムで、入口から受付のエントランスなどは本物の豪邸の様な絢爛な作りになっている。
10メートル近くある天井からはシャンデリア、床は大理石…
『リビング』と呼ばれる待合室も映画に出るような立派なインテリアが用意されている。

また待機中の接待嬢=『メイド』はエントランスの掃除やリビングのご主人様にお茶を出したりしてアピールを行っている。
本来なら面倒な作業もコピーが自動的に行ってくれるので積極的な者が多いようだ。

店の外装はキャバレークラブなどと大差ないし規模も普通なのだが、中はあからさまに面積が違う。
ここもタクシー同様、ゲームならではの空間のねじ曲げが施されているらしい。
惚】『すごぉい…』

『執事』と称されるボーイに案内され、惚乃花はエントランスを見回した。

手続きをするために通された部屋も小規模ながらに豪勢だ。

促されるままにソファーに腰を折る。
ローテーブルを挟んだ向かいには支配人が座った。


惚】(う…緊張するよぉ…)


支配人】『あぁー初めまして。
私が当ソープの支配人をしています【振股(フルマタ)】と申しますぅハイ。
【股】を【振る】と書きまして〜…ハイ、振股ですね。

あ〜ちょっと失礼、えぇとライター…ライター…あぁありました、ん〜…まさにガスだね』

『ガスだね』と言った瞬間に立てた人差し指の先からマッチ程度の火がポウっと現れた。

惚】『…!!』

なんだかCMで見たようなシーンだが、直接目の当たりにするとインパクトが強い。

惚】『えっえぇ?!何っ…魔法?!手品?!』

振】『それは〜ハイ、言えませんねぇ。
企業秘密ってやつです、んぅ〜』

惚】『何でよ?!つかそんなん出来るならライター使わなくていいじゃないですか!』

振】『ンふぅ〜…』

惚】『いや、んふぅ〜じゃなくて』

振】『じゃあ説明に入りますよ〜』

惚】『スルー?!』


喚く惚乃花を無視して強制的に説明が始まった。
仕方なしに惚乃花は諦めて説明を聞く。

まずは給料の説明だった。
給料は全額日払いで、完全歩合制だ。
客一人につき、90分コース20000円、60分コースで13000円貰える。
ちなみに二時間の場合は60分×2の計算になる。
指名の場合は指名料として+3000円。
最後に雑費として、その日の給料の総額から10%店側に差し引かれる。

完全自由シフトでノルマはナシ。
遅刻、欠勤のペナルティーもない。
仕事内容がハードな分、規制などはかなり緩いようだ。

業務内容はパセラでちぐひに教えられた通りで、あとは言葉遣いなどをメイドっぽく、客を【ご主人様】の様に…と言った演出が入る。
元々メイドとして仕えていた惚乃花にとって、その辺は問題ないだろう。
振】『それじゃあコピー作業に移りますよ〜、まずはえぇと〜

……あぁコレコレ、ンふぅ〜…』

取り出されたのはSDカードにも似たチップだった。

振】『まずは源氏名をインプットするんですけど…え〜っと、あなた…源氏名考えてきました?』

惚】『えっ…源氏名…考えてなかった…』

振】『別に本名でもかまわないですよ〜』

惚】『えぇッ…でもソープで本名はちょっと…
でも急に源氏名って言われても…』

振】『源氏名はいつでも変更できますから、まぁその都度名刺作ったり手間も費用もかかりますけど〜ンふぅ』
惚】『う…それもなぁ…ちょっと』


結局あれこれ悩んでも決まる目処も立たないのでコンピューターのランダムに任せる事にした。


振股の誘導の下、チップをDIOについてる差し込み口へと入れる。

最初に表示された名前入力画面は既にランダムで決められた名前が提示されている。


【双葉】


惚】『ふたば?』

振】『ランダムでコンピューターが選んだ名前です。
それで良ければ右下の決定ボタンを押して下さい』

惚】『うわッ…急に業務的になるんですか…』

振】『ぁ…やべっ

ンふぅ〜右下のですね〜決定ボタン押して頂けると非常ぉ〜に…助かるんですけどもねぇ、ハイ』

惚】『!!?』

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あきゅろす。
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