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たばこときみとあめ


苦い香りが鼻につく。ふうと息が吐き出されて、本物よりもミニチュアな白い雲が顔の前に浮かぶ。体は少し面白いネーミングの成分を依存的に求め、繰り返し肺に送り込んでは吐き出す。そうする度に何故だか落ち着けた。

最近は吸う事が増えてきた気がする。きっとあいつのせいだとは分かっていた。


『獄寺、また吸ってきた?』

「なんでだよ」

『…匂いとか、勘』


匂いには特に気を使う。いつも消して戻るのだが、分かってしまう様で上手くいかない。もっと匂いを消さなければならないなと、アイディアを頭に浮かべた。あいつがいつも、その消した筈の匂いで顔をしかめるから。


『気使うなよ、此処で吸っていいから』

「別に誰がお前に気なんか使うか」


それでまた顔をしかめる。させたくない筈の顔をどちらにせよ、させてしまっているのは事実。…結果は結局同じになってしまう。


「十代目、帰りましょう」

「あれ…最近獄寺君俺達の前で吸わなくなった?」

「…」

「あ、いや、ううん、気にしないで」


尊敬する十代目にはさすが、隠し事は無理らしい。…別にあいつに迷惑をかけるからというこ優しい感情ではなくて、十代目の肺にも負担がかかると思ったための行動だ。

お前らのためなんかじゃねえからな、と言い訳の様に突き出た言葉は、周りにいる気に食わないあいつや野球馬鹿に釘をさした。



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あきゅろす。
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