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たばこときみとあめ


「だから勘違いすんな」

『それでこそ獄寺だろ』


…その時にふっと笑った表情が本当は見たいものであって、本当は、本当は。


(あいつが煙草で哀しくなる顔をただ苛々して見れないだけ)


「獄寺って案外優しい奴だよな」

「案外ってなんだ野球馬鹿!別にてめーらの為に吸ってねえわけじゃねえって言ったばっかだろうが」


今までの俺の発言をこの馬鹿はなんと聞いていたのやら。


『隠れて吸うくらいなら堂々と吸えって言ったろ。…本当に気使ってないならそれでいいけど』

「誰のせいだと思っ…」

「やっぱ、俺達の為か」


なんというこの肩胛骨野郎。ありがとなと、肩をぽんと叩かれて不愉快度数はますます増える。


「…黒崎の為なんだろ」

「は、」

「あいつ煙草苦手だって言ってたもんな。やっぱ優しいのな!」


本当にこいつのこの余裕の笑顔だけはどうしても受け付けない。(全部受け付けないが)あいつが煙草苦手だっていつお前が知った、なんて空しくも俺の頭はそんな馬鹿な思考が過ったけれども、直ぐに消去した。



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