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Espressivo(完結)
2




「今はその人の代わりでもいいよ、似てるんでしょ?俺とその人」


突然呟かれた一言に俺は目を見開く。




「な…んで、?」




何で静也と仁が似てる事知ってるんだよ。




「俺、昔から勘だけは鋭いんだよねー」




そう言ってまた、静也は俺の頭をぽんぽんと撫でる。


その表情は仁とは掛け離れていて。

こんな時に比較しちゃいけないんだろうけど、比較しざるを得ない。





この男は受け入れてくれると言っているんだ。


代わりでもいいと。


限りなく仁と似ているこの男は、限りなく仁と似つかわない表情で代わりでもいいと言ってくれているんだ。





恐らく静也は、知らないうちに他人をタラすことはあっても、絶対に浮気はしない。



どんな事があっても恋人を第一に考えてて、恋人を傷付けるなんてヘマは絶対にしない。



恋人に何かあったらヒーローみたく飛んできて、助けだしてくれる。



これだけは断言できる。



付き合うならこれ程完璧な男はいないと思う。


こいつと付き合ったら絶対に悲しんだりはしない。


前みたく、辛い思いもしなくていい。








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