Espressivo(完結) 5 「司〜風呂あがった、て寝てるし……」 風呂をあがってリビングへと行くとソファーの上ですやすやと眠る司の姿。 「テレビつけっぱ…」 司が眠るなか青白い画面の映る液晶に目をやった瞬間、体中に衝撃が走った。 《PokerFace新ボーカルのSinですVv》 《否、仮ボーカルです》 液晶の中でSinが仁の腕に纏わり付く。 《えぇ!??》 《そうなんですか?》 仁は気にした様子もなく、ただ司会者に訂正したのみだった。 《えぇ、まだ決まってないんです》 《まだって事は…》 確かこの番組は生放送だから、今まさにこの瞬間SinはPokerFaceのボーカルだという事が分かる。 なんだかんだで俺の事好きって言ってくれてた仁だから、今回も迎えに来てくれるって心の何処かで信じてたんだ。 困ったように笑いながら、“ったくしょうがねぇな”って許してくれるって… 俺は見ていられなくなってテレビの電源をおとした。 《俺らPokerFaceはoki以外の音じゃ合わないんで… okiは絶対戻って来ます》 司会者の言葉に眉間に皺を目一杯寄せて言った、仁の言葉を聞く前に… . [*前へ][次へ#] [戻る] |