篠田学園-1部- 9 「ワリィ、違和感無かった」 本当にすまなさそうに謝っているが、そんなものに騙される俺じゃない。 「それ、遠回しに俺が軽くてちっちゃいって言ってねぇ?」 「い、や…その………」 明らかに動揺した様子の昇は目を泳がせながらあからさまに話しを反らした。 「ってか、お前頭良かったっけ? ここ、相当頭良くなくちゃ入れないはず……」 「クノ……… 話し反らすの下手っぴ…」 俺が指摘すると昇はばつが悪そうに視線を反らす。 そんな昇に呆れながらも俺は昇に向き直った。 「実はその相当頭良い人達のいる学校で特待生になっちゃってたり」 俺が控え目に言うと昇は切れ長でカッコイイ目を大きく目を見開いた。 「マヂネタ?」 「当然」 「……」 「……」 暫く続く沈黙を破ったのは昇だった。 「まぢでかぁ〜(涙」 「あ、これ俺のカードキー」 へなへなと崩れ落ちる昇にカードキーを差し出せば、恨めしそうに顔を上げる。 「はいはい〜連れて行きますよ」 限りなくがっかりとした様子で昇は立ち上がると、俺の部屋がある12階へと足を運んだのであった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |