篠田学園-1部-
変化
蓮Side
馨夜が東に連れ去られてから、俺は一人部屋に戻った。
来るときしつこく言い寄ってきた志村は追い払ったし、一般生徒立入禁止の階な為誰にも会うことはなかった。
良いような、悪いような、そんなかんじ。
生徒会長で我が儘で黒翼の総長な俺がこんな情けない顔をしている姿なんて、とてもじゃないが一般生徒には見せられない。
否、見せたくない。
だからと言って、恋を自覚しこれからアタックしていこうと思った途端相手に逃げられ、一人でいたくないのも確かだ。
それに馨夜は俺が馨夜を好きな事実をまだ知らない。
俺が勝手にセフレを切ったとしても、何等興味ないだろう。
それでも俺はセフレを呼ぶ気にはなれなかった。
ピンポーン
不意にインターホンが鳴った。
「こんな時に誰だよ」
小さく舌打ちしつつソファーから重い腰を上げた。
ピンポンピンポンピンポーン
「はいはい、ったく誰だよ」
痺れを切らしたのか、異様にそれを連打する相手に半ば切れながら扉を開けた。
「元気?あ、篠田にフラれちゃった?」
「…龍汰」
そこには満面の笑みを浮かべる龍汰の姿。
「Butterflyの白虎が学園に来てるよ」
そう言った龍汰は、黒く笑んでいた。
蓮Side...END
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