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篠田学園-1部-
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「それに篠田の養子ってのも変でしょ、篠田は血に外人を許さないっ…蓮、気付いてよ」

「…れ」

「蓮、篠田なんかと関わっちゃ駄…」


小さな男子生徒が蓮の肩に手を掛けて諭すように呟いた。


“関わっちゃ駄目”

小さく呟かれた筈なのに、嫌に響いた一言。

俺に関わると不幸になる。

産まなければよかった。


男子生徒の姿が、何故か実母と重なった。


不意にこちらを向いた蓮と目が合った気がしたが、そんなの気にしてられない。


俺は無意識に走り出していた。











ドンッ

「え、篠田……?」


廊下をただひたすらに走っていたら大きな壁にぶつかった。


見上げるとそこには目を見開き驚いた様子の東の姿。


「あ、ずま…」

「おい、どうしたんだよ」


東の驚いた顔を見た瞬間、歪んだ視界に俺は自分が情けなくなった。


「俺、いらなっ…」

「落ち着けって」


涙がどんどん溢れ出てくる瞳に、内心動揺していた。

ここまでショックなのは何故?


「馨夜!!!!」


ぎゅっと東に抱きしめられた瞬間、背後から蓮の声が聞こえた。


「馨夜、悪かった…その、志村が…」





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あきゅろす。
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