篠田学園-1部-
7
「ふ〜ん
んで,今年はどっちにすんの?」
パコッ
「それを今カラ決めるんだ」
不意に後頭部に軽い衝撃が走る
「あき……“井上先生”は何がいぃんですか-?」
ムカついたカラ
わざわざ先生と呼ぶと暁の眉間に皺が寄るのが分かる
「お前に聞いた俺がバカでした〜」
暁は呆れ顔で,でも楽しそうに教卓の方へと戻っていった
それを見た回りの生徒はざわめき始める
大方,暁に近づくな…といったものだろう
心の底から軽蔑するよ
溜め息をつくと隣りに座る黒翼のマキと目が合った
「え〜と……
篠田 馨夜…よろしくな」
目があったので取り敢えず挨拶をしてみる
右手を出して握手を求めるが,握手どころか
挨拶すら返ってこないと思っていたのに……
「槇 邦久[マキ クニヒサ]…よろしく
珍しいね,転入生なんて
もしかして頭いぃ?」
握手どころか話題を振ってきた…
謎な奴だ
それに,槇も意外と美形かもしれない
先程から2,3人だが
俺の方を殺気いっぱいて睨んでくる奴がいる
「あ…あぁ,取り敢えずこの学校入れる位の頭は…
ってヵ,槇って意外とお喋り?」
「普段はあんまり…
でも,自己紹介の時の篠田の殺気が凄かったから
…うちのチームに欲しいなって思ってね?」
ギクリ とした
まさか,この容姿でチームへの勧誘をされるなんて思ってもいなかったのだ
「チ…チーム?」
「俺,黒翼入ってるんだ」
槇は,人のよさそうな笑みを浮かべた
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