篠田学園-1部-
自己紹介
ガラッ
「やっぱり…」
思わず溜め息をついてしまったが仕方ないだろう
そこはやっぱり異時限空間でした
「…お前が,篠田馨夜?」
少し遠くから声がかかり,姿を捜す
「こっちこっち」
再度,見回すと教室の隅で
明らかに他の人と違う大きな机に座る男が
手をヒラヒラと振っていた
「あぁ,すみません」
返事をして男の元へ歩く
あれ……?
「担任の井上暁[イノウエ アキラ]
英語担当だ」
「お前,今は喋るなよ…」
何を察したのか
自己紹介をした後,
暁は顔を引き吊らせながらボソッと告げた
「じゃあ行くか……
そろそろ時間だしな」
黙って歩き出す暁の後を小走りでついていく
歩くの速くねぇ…?
「で,なんだその頭は」
職員室から出て,直ぐの角を曲がったところで
暁は不意に振り返った
「ヅラ」
「否,そうじゃなくて…」
「眼鏡…?」
「……」
何が言いたいんだ…?
人を見て溜め息つくなんて失礼だ
「んだよ,文句あんの?」
「否,ショック受けたなぁ…と」
訳分かんねぇ
俺が顔を歪めると
暁は背を壁に預け
カッコつけた様に笑った
.
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