篠田学園-1部-
4
「急げば間に合うんだろ?
俺,転校初日から遅刻とか激しく嫌だ」
「まじでか!??やっば…
あ〜,走るぞ馨夜!!!」
「えっ!?ちょっ……」
玲也は珍しく慌てた様子で俺の腕を掴むと
先程と同じ様に強く引っ張りながら走った
それはもう,
速きこと風の如し(笑゛
「はぁ,はぁ,はぁ,はぁ,
っ疲れたぁ〜」
あれからいろんな所を全力疾走で20分
流石の俺でもちょっとは疲れるだろ
っつ〜か…
「この学校無駄に広っ」
「ん〜
それでこそ,俺の馨夜」
文句を垂れる俺の頭をわしゃわしゃと撫でる玲也
ヅラが外れるって…
職員室の前だからそれは凄く危険な行為だ
「じゃ,案内ありがとな」
「つれねぇなぁ〜」
玲也の手を無理矢理振り払って職員室の戸に手を掛ける
「うっせ,礼はちゃんと言ったろ?」
「今度は体でお礼してな」
「一回100万円な」
“そりゃ困った”
玲也は呟きながら俺に背を向ける
「まぁ,泣きたくなったら
いつでも来い」
片手をヒラヒラとさせて去って行く玲也の耳は赤かった
「恥ずかしいやつ」
俺は微笑すると
おそらく広いであろう職員室の扉を開けた
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