篠田学園-1部-
3
「怒ってねぇよ
ってか,心配してた…」
隣に座る玲也の頭が
俺の肩に乗った
身長差がある分玲也の態勢は辛そうだが,
頭を退かす意思は無い様で
ぽつぽつと玲也は口を開いた
「必死になって捜したんだぜ?
康輝なんか,ゴミ箱ん中まで捜してたし…
ホント無事で,良かった……」
「ごめ……」
玲也更に俯く俺の肩から頭を退かし,抱き締めてきた
「謝んなっての
つか,謝る位ならずっと傍にいろ,これ命令ね」
悪戯っぽく笑む玲也の顔はちょっと前より大人びていた
玲也は俺が信頼している人のうちの一人だ
まだ真実は明かせないケド
「ごめんな……」
「気にするなよ,馨夜が話したくなったらでいぃ」
何も言わなくても,俺が言おうとしていた事は解っていた様で
玲也は俺の唇にそっとキスを落とした
「これ,俺の部屋のカードキー
携帯の番号は変えてねぇんだろ?
今度はちゃんと出ろよな」
わしゃわしゃと頭を撫でる大きな手に,自分が安心しているのが良く分かる
「じゃ,教室行くか
…とその前に職員室だっけか?」
時計を見て,玲也は表情を歪めた
「間に合わねぇカモ」
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