篠田学園-1部-
“玲也”
馨夜 Side
「馨夜なんだろ?」
言われた俺は頷いた
勿論,蓮にバレるかもしれないとも思った
でもそれ以上に,
玲也に謝りたかった
一番近くにいたのに
一番信用してくれていたのに
何も言わずに逃げて
やっとした連絡も“Butterflyを解散する”と書いた一通のメールだけで
「…ちょっと来い」
いきなり手を掴まれ,引っ張られる
「えっ,ちょっ………」
辺りは相変わらずシンーと静まり返っている
敦や有紫,蓮までもが唖然とした様子で俺と玲也のやり取りを見ていた
「そっちの藤村とかも来い
天埜,生徒会室借りるな」
玲也は俺の腕を掴んだまま,食堂の出口へと歩き出した
「ちょっ…馨夜」
「面白そ〜♪」
「龍太,行くぞ」
「了解」
焦る俺を尻目に,
有紫と敦,そして蓮と龍太(と呼ばれた人)は
意気揚々とついてくる
異様な集団だな…
これからの事を考えるとすごく気が重かった
「天埜と山久と藤村とかは入って来んじゃねぇぞ」
校舎に入って
そのまま連れて行かれた場所に俺は溜め息しか出なかった
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