篠田学園-1部-
再会
「藤村様が……」
「敦まで………たのか」
「今回の………だな」
「………だろ?」
有紫と敦に挟まれながら坦々と食事を続けていた俺は、不意にある声に気付いた。
さっきから俺の顔を見てコソコソと…
「うざ」
多分話しをしているであろう人間をを一睨みするが、全くと言っていい程気付く気配がない。
「ま〜ま〜、馨ちゃん
そんなに怒らないでVv」
背後からぎゅっと強く抱き付いてくる敦の頬を摘んだ。
「敦はギャップが激しすぎる」
「いたたたたっ
ギブ、ギブ!!ごめんって」
「分かればよろしい」
痛々しく腫れた頬を摩りながら、敦はおとなしく俺の隣に座った。
「ホント、いつの間に仲良くなったの?」
そんな俺らを見て、にこやかに黒々しいオーラを背後に潜めた有紫の口調はあくまで優しい。
「否、その…」
キャーーーーーー
しどろもどろになる俺を救ったのは、黄土色の歓声だった。
「蓮様〜〜Vv」
「龍太さま、愛してる!!!」
「抱いて〜」
「抱かせてくれ!!」
「玲也さん、抱いて!!!」
「可愛い〜Vv」
それはもうこの世の物とは思えない程の、絶叫。
「有紫、あれなに?」
「生徒会御一行様
所謂この学園のアイドルグループだよ」
そう言ってにこやかな笑みを浮かべる有紫に、俺は呆れるしかなかった。
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