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篠田学園-1部-
2


「今からメシ?」

「否、修吾…寮監呼ばれた、俺朝食わねぇし」


「そっか〜
ってか、有紫いつまで俺の肩掴んでんの?」

いつにまでも呆然としたままの有紫の目の前で手をヒラヒラとさせるが、戻ってくる気配はない。


「有紫く〜ん?」


「有紫?馨夜、こいつとも友達なのか?」


「ん、昨日からなんだけどね〜
…て、お〜い有紫〜?」


慶輔は不思議そうに有紫を眺め、俺はまた有紫を呼ぶ。


「……櫻木、おハよ…」


やっと戻ってきた有紫はどこか可笑しかった。


「片言だけど大丈夫かぁ?」


「………はよ…」


慶輔は面倒くさそうに発すると何故かすぐに視線を外した。


チンッ




いつの間にか2階についていて、俺はエレベーターからまだ微かに放心状態の有紫を下ろすと、慶輔に笑い掛けた。


「じゃ、教室でなっ」

「あぁ」


慶輔は頬を赤らめ、微笑んでいた。









「櫻木が…初めて見た」

「なにが?」

チンッと扉が閉まると、隣にいた有紫が小さく呟いた。


「人と朝の挨拶する所…」

「…慶輔って何者?」

「敢えて言うなら珍獣?」

“否、ここはもう少しワイルドに例えて…”


腕組みをして、真剣に考え込む有紫に俺は盛大な溜め息をついた。








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あきゅろす。
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