篠田学園-1部-
In 食堂
「おはよう、馨夜
昨日はよく眠れた?」
「あぁ、おかげさまで」
玄関の戸を開けると、昨日からの友人・藤村有紫が立っていた。
「8:00迄には職員室に行っていた方がいいね
もう7:30だけど、朝食どうする?」
「ん〜食って行こうかな
初登校日だし、気合い入れないと」
カードキーを通してエレベーターに乗り込む。
相変わらずの豪華さだ。
「敦、結局何時まで馨夜の部屋にいたの?」
「22:50。はた迷惑なやつらだよ
そうそう、有紫が帰ったすぐ後慶輔も来てさ
取り敢えず友達になった」
俺が慶輔の名前を出した途端、有紫の動きが止まる。
「…どした?」
「……慶輔って櫻木…?」
「そだけど?」
訳も分からずキョトンと問い返すと有紫は大きな溜め息をついた。
「“取り敢えず”って…」
「何か問題でも?」
有紫が俺の両肩を掴む。
そして、口を開こうとした瞬間…
チンッ
「あ、馨夜……」
10階に止まったエレベーターが開き、慶輔が立っていた。
「慶輔、はよ〜」
「はよ…」
ゆっくりと乗り込んでくる慶輔と挨拶を交わす。
有紫は目を大きく見開き、固まっている。
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