篠田学園-1部- 2 俺が生まれた篠宮は、篠田の分家だった。 篠田は世界トップレベルのシェアを持つ大手企業で、一族で会社を経営していた為、分家である篠宮も自動的に裕福であった。 また、伝統を大切にする習慣があり、例え血が繋がってない程の遠い親戚でも、日本古来の“道”(剣道や茶道など)の習得しなければならなかった。 結婚相手も徹底的に調べ上げ、性格・頭・身体能力…等を全てをトータルして選んでいた。 勿論、外人と結婚するなんて言語道断。 そんな篠田一族の中に、銀髪・青瞳の男の子が生まれた。 それが俺だ……… 「篠田…?」 慶輔に声を掛けられ、はっとする。 「ん?何?櫻木」 ニコリと微笑んで返すが、慶輔の眉間の皺はまだある。 それでも何を思ってか、俺に問い掛けたりはしなかった。 「変なの」 くすっと笑えば可愛いを連発してくる敦に溜め息をつく。 しかし、いつまでも立ち話を玄関なんかでしている訳にはいかない。 「奥……上がってけよ、立ち話じゃあれだし」 二人に目配せして背後について来る気配を感じ乍、リビングへと歩を進めた。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |