篠田学園-1部-
櫻木
「敦はスポーツで好成績だからC組なんだ
頭だと…E組位だっけ?」
ニコリと悪びれなく笑う有紫に、敦は悪態をつく。
「うっせ、有紫は運動関係なんにも出来ないくせに」
敦はばっと立ち上がり、俺の腕を掴んでツカツカと歩き出した。
「どうした!??」
「馨夜の部屋行く」
しかし、急に立ち止まると小さく一言呟いた。
「部屋どこ?」
プッ
なんか小さい子みたいだ。
「敦うける〜有紫、行こ♪」
俺は逆に敦の腕を掴むと、部屋に向かって歩き出した。
「広っ、俺の部屋なんか物置きみたいなもんじゃん」
部屋に入り、電気を着けると相変わらずの広さ。
「思ったより広いね
俺がいた時より広くなってるみたい」
「え!?有紫ってここの部屋使ってたの?」
「有紫、馨夜が来る前は首席だったもんなぁ〜」
笑いながらソファーに座る敦を見て、俺はお茶の用意を始める。
「そういえば、櫻木は3位になっちゃって大変そうだよね」
有紫によってボソッと呟かれた一言は勿論、俺の耳に届いていた。
まさか……違うよな?
「有紫〜櫻木じゃ馨夜が分かんないって」
妙に嫌な予感がして、俺はカップを持つ手を止めていた。
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