篠田学園-1部- 10 「え……」 「くだんねぇ事ほざいてんな、このアホ」 目の前には蓮の顔とその奥に真っ白な天井。 両腕は蓮によってひとまとめにされ頭の上でとめられている。 蓮は俺の腰の辺りに乗っていて、つまりは馬乗り状態だ。 「俺は告白の返事しろっつってんだよ、なに話し反らそうとしてんだよ」 「だっ…会長舞蝶探してて、俺だから嫌われ…」 「好きだ、返事は!!」 「はあ!?」 何故か言葉を遮られ、そのうえ怒鳴られた。 ムードもなにもあったもんじゃない。 「俺は、お前の俺に対する本心の感情以外は聞く気ねぇから。ちゃんと、嘘つくな」 蓮の中で何か感情の整理がついたのか、急に宥めるように呟かれた。 俺の本心……? 言っちゃいけない、でも言いたい。 少し考えてから蓮を見上げると、どこか決意したような顔つきで俺の瞳を覗き込んでいた。 蓮は目を見るとき、奥の奥まで、まるで見透かすかのように見入ってくる。 それは逃れようがない程強い視線で。 言い訳は通用しない… 俺は内心で小さく溜め息をついた。 どうにでもなりやがれ。 「これで何かあったら会長の責任だかんな」 「っ…ああ」 唇を無意識に尖らせ告げると、蓮は一瞬驚いた顔をした後驚くほど甘い笑みを浮かべた。 「俺は、会長が好きだ」 言った瞬間、俺の視界は真っ暗になった。 馨夜Side...END [*前へ][次へ#] [戻る] |