篠田学園-1部-
嘘つきな死神
「…どうゆう意味だ、これ」
一通り読み終えたのか、暁が低く呟く。
「なんか、脅し?」
「篠田に?」
言った瞬間、隣の槇が間髪入れずに問い掛けてきた。
その内容にクラスメートが騒ぎ出す。
「篠田が脅し…」
「なんで」
「当たり前………だし」
「でも……」
あぁ、うるせぇな。
だんだんと声が大きくなっていく教室内に、俺は何かが冷めていくのを感じた。
なんか、嫌だ。
折角槇と話して、蓮の事自覚して、ポジティブ目指してたのに。
「お前ら俺の授業受ける気ねぇなら出てけ!!」
少しずつ暗くなっていく思考に苛々し始めたその時、暁が怒鳴る声が耳に入った。
「馨夜、理事長のところ行け」
「え…」
「いいから」
無理矢理立ち上がらせられて、頭を優しく撫でられた。
「手紙持って、俺も直ぐ行くから」
「…………ん」
なんだか腑に落ちないところもあったが、何故か素直に頷いている俺がいた。
そのまま大人しく教室を出て理事長室へ向かう。
…が、エレベーターの前まできた時、何故か俺の足は動かなくなっていた。
理由はわからない。
けど、今は勇に会いたくない気がした。
そして俺の足は無意識に森へと向かっていた。
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