篠田学園-1部-
3
「え、だっ…タチじゃ…」
「俺邦久相手なら両方できるし」
「俺が…とか絵的にきついしね」
うっすらと苦笑を浮かべる槇に言葉をなくす。
「だっ…今までそんな…」
「裕樹は恥ずかしがりやだからね」
「違っ…」
顔を真っ赤にして否定する裕樹を、槇は穏やかな表情で見ている。
「イチャイチャ禁止令発足」
「してねぇし」
「…で、篠田は総長すきってことやっと自覚したの?」
ぶーぶー文句を言う俺を綺麗に無視して、槇はさらりと爆弾発言をした。
それもとびっきりの笑顔で。
まだ不機嫌面の裕樹の方が可愛いげがある。
…じゃなくて、
「なんで槇がっ…」
「見てれば分かるでしょ。総長も相当アピールしてたし」
黒い笑みを浮かべる槇の言葉に引っ掛かった。
「アピール?誰に?」
「もしかして、気付いてなかった?」
「うっわ〜、会長かわいそ」
突然目を見開き、信じられないものでも見たかのような顔をされた。
二人揃って失礼な奴らめ。
「何がだよ」
「総長、大分アピールしてたと思うよ?」
「だからなんで今その話しが出てくんだよ」
“わけわかんねぇし”と呟いたら盛大な溜め息をつかれた。
なんか馬鹿にされてる気がする。
不平不満を零したら、槇は再び溜め息をついた。
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