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篠田学園-1部-
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それから暫くして、あの事件が起きた。

否、正確にはあの悪夢が再来した。



中学はあまり行っていなかったものの、無事地元の高校に進学し高校生にとなった頃。


俺はその日、珍しく学校に行ってからNightに行った。

いつもなら3時頃歩いている道を5時頃歩く。


帰りは暗いけどいつも玲也が一緒だから、この道を暗い時間に一人で歩くのは初めてだ。


冬よりは日が長くなってきたとは言え、まだ暗い。


どんよりとした纏わり付くような日本独特の湿った空気に、思わず眉間に皺を寄せた。



次の角を曲がればNight…って所で脇の路地から数人の男が出て来た。


「誰だよ」

「誰でもいいだろ、ついて来いよ」


全身を黒で纏い、マスクにサングラス姿という怪しい格好。

それでも最近、花粉症の人間がこれと同じような格好だと知ったばかりの俺は大して気に止めなかった。


「俺に何の用?」

「…カズさんが呼んでる」

「ふ〜ん」


カズの名前が出た事で安心した俺はのこのこと男達のあとを付いて行ってしまった。


ちょっと考えれば分かった筈なのに、それすらしなかった俺のミス。


つれて行かれた先がどこなのか、その時俺はまだ気づいていなかった。





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あきゅろす。
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