篠田学園-1部-
2
暫く続いた沈黙を破ったのは意外にも玲也だった。
「…とは言うものの、ぶっちゃけ今は猫の手でも借りたい状況だ」
眉間に皺を思いっきり刻み、苦々しい表情で蓮を睨み付ける玲也に何とも言えない気分になった。
「取り敢えず話し合うだけはしておく」
「随分と太っ腹だな」
「カズと黒翼、どちらの方が有害かは考えるまでもねぇ」
舌打ちをした玲也に対し、蓮は余裕の笑みを浮かべ小さく笑った。
「舞蝶は……キョウ、って呼ばれてたんだってな」
「それがどうした」
「否、ただ…馨夜とキョウ、名前が似てると思ってな」
「は?なにふざけた事言ってんだよ」
蓮は玲也とやり取りしながら、俺の顔を見てニヤリと人を小ばかにしたような笑みを浮かべた。
「で、どうすんだよ」
「うっせ、今考えてるっの」
あれから俺らは生徒会室を出て今は玲也の部屋にいる。
目の前には冷めたコーヒーと腕を組み相当悩んだ様子の玲也、そして。
「ほんまモンのキョウや〜変わりのうて一安心♪あ、ちと細くなったんやない?」
「康輝、黙れ」
「タキ、取り敢えず消えようか」
「キョウにくっついてんじゃねぇよ」
俺にくっつく白虎こと滝口康輝。
周りで俺を囲むように立つ慶輔と修吾もあわせれば、久々にButterfly幹部の勢揃いである。
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