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篠田学園-1部-
8


龍汰が帰った後、俺は小さく溜め息をついた。

今日何回目だろう。


溜め息をついたら幸せが逃げるって言うけど、今日の分だけで先2年分くらいの幸せが逃げた気がする。

取り敢えず今回学習したのは、龍汰が敵じゃなくて良かった。


これほど優秀なのは滅多にいない。


それほどまでに今回は恐かった。



龍汰が提案したのは至極単純且、相手の弱みに付け込む。


“Butterflyに力を貸す代わりに、舞蝶に会わせてもらえばいい”

小さく頑張って、と呟いた龍汰はクスッと笑って部屋を去った。



取り敢えずは明日、馨夜を呼び出して生徒会入りを告げれば必ず玲也は食いついてくるはずだ。


多分玲也は馨夜の前じゃ何も言って来ないだろうから、その時に交渉を持ち掛ければいい。


「交渉に応じてくれればいいんだけどな」

正直、あのレイが応じるとは思わない。


まだ舞蝶がいた頃もレイは常に舞蝶の傍で、ナイトのように守っていた。


あの頃舞蝶が一番信頼していたのは間違いなくレイだろう。

それくらいに近くにいた。


しかし、龍汰が持ってきた書類にはその絆を利用できるだけのネタが書いてあった。


「取り敢えずやってみるしかねぇか…」


すっかり龍汰の言いなりになってしまっている自分に、俺は小さく溜め息をついた。




蓮Side...END

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あきゅろす。
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