篠田学園-1部- 連絡 蓮Side 旅行最終日、PM23:50 馨夜が寝たのを確認すると俺はリビングのソファーに深く腰掛けた。 先程の俺自身の行動を思い出して、思わず苦笑した。 黒翼の総長としてあんなに恐れられていたこの俺が、あの程度の事で慌てていた。 以前の冷酷非道な噂を持つ俺からは考えられなかった事だ。 「相当キてるな…」 苦笑を零し、溜め息をつく。 人を好きになるなんて今までだって一度もしたことなかった。 舞蝶だって恋ではなく憧れだった。 勿論会いたいと思うし、探してだっている。 それでも今、馨夜と舞蝶を天秤に掛けたら間違いなく馨夜の方に傾くだろう。 俺は再び溜め息をついた。 ヴーヴーヴー 不意にバイブにしていた携帯が鳴り、メール受信を告げた。 折角いいかんじに気持ちが纏まりそうだったのに… 眉間に皺を寄せて携帯に手を伸ばす。 小さな音を起ててそれを開き、起動させる。 どうせ龍太辺りの奴らがつまらない用事でメールしてきたのだろう。 そう思って開いたメールに、俺は思わず言葉を失った。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |