篠田学園-1部-
8
『遅れてすまない、会議が長引いてね』
壇上で余裕そうに微笑む勇の姿を見て苛立つ。
「「「「キャーーーーーー」」」」
…プラス、周りの奇声にも苛立った。
『旅行は楽しめているかな?
毎年同じところで本当にすまないね』
微塵にも思ってないような事を笑顔でスラスラと言ってのける勇を見て、思わず溜め息が零れた。
こんなのが初代でいいのか…と昇を見上げると、有り得ないくらい上機嫌。
「あの偽善者的な事スラスラ言ってんのがいいよな〜」
SILVERの奴らは多分、変人が多いんだと思う。
『…という事で、存分に楽しんでくれ
長引いてしまってすまないね』
「理事長素敵〜」
「抱いて〜」
「カッコイイー」
ニッコリと笑み、壇上から降りてくる勇に叫ぶ生徒。
指笛の音まで聞こえてくる。
まぁ、嫌われてるよりはいいんだろうけどさ。
小さく溜め息をついてから再び勇に目を向ければ、ぱちんと目が合いウィンクしてくる。
それを見て自分にしてもらったと勘違いする奴らに、俺は再び盛大な溜め息を零した。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!