篠田学園-1部-
6
「何の話ししてんだよ」
「あ、ク……昇」
不意に背後から話し掛けられ、反射的に振り向く。
危なかった…
思わず“クノ”と呼びそうになって焦る。
「いきなり話し掛けてくんなよ」
「別にいいだろ」
「いくない、俺が馬鹿なの知ってんだろ?」
むすっと睨み上げると何故か近くに上機嫌な昇の顔があった。
「近いし」
「久々だしいいだろ」
そう言って後ろからぎゅっと抱きしめてくる昇。
周りの視線が凄い痛い。
「俺殺す気?」
「このくらいじゃ死なねぇよ」
「案外死んじゃうかもよ」
顔を上げて見をよじって無理矢理昇と視線を合わせれば、先程より更に上機嫌な顔。
こんな顔されたら拒否しにくいじゃん。
今回だけは…なんて考えちゃうあたり、俺は甘いのかもしれない。
「あー!!!!なに馨夜に抱き着いてんだよ」
「秀だって抱き着いてただろ」
「それとこれとは別」
「知るか」
「副長ボイコットしてやる」
「したら馨夜入れるから、寧ろボイコットしろ!!」
「はぁ??横暴だろ」
料理片手に現れた秀と未だ俺に抱き着きながら口喧嘩する昇。
ホント、漫才コンビ組んだら?
心からそう思った。
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