篠田学園-1部-
5
「あ、ごめんなさい…」
「ふーん…」
「っ、まぢでごめんて!!」
どんなに謝っても聞く様子のない有紫にかなり焦る。
普段ならこのくらい謝れば苦笑しながら許してくれるから。
「これくらいにしてあげたら?」
「ん〜、勿体ない…」
「可哀相だから」
苦笑する槙に、少し拗ねたような表情をする有紫。
有紫、敦より槙と双子に産まれた方がよかったんじゃないかと思う。
笑いながらの鬼畜加減がそっくりだ。
「そういや、有紫とかはどこ行ったの?」
あの後どうにか有紫を宥めて(槙が)、俺達は食事を口に運んでいる。
立食パーティーなんて始めてなもんだから、入学前に勇さんにスパルタで教えられたマナーも無駄じゃ無かったと思う。
…まだぎこちないけど。
「俺のところは買い物だけ」
「先に送っちゃおうと思ってね」
「ふ〜ん、なんかあった?」
「ん〜、微妙」
「明日別の所に行ってみるんだ」
うん、どっちかわかんなくなった。
やっぱりこの二人は似てる。
途中までは分かってたんだけど、駄目だ。
「双子でしょ」
「俺は双子だよ?」
はい、おっしゃる通りでした。
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