篠田学園-1部-
3
「志村の親衛隊、来たんだろ?」
相変わらずクツクツと笑う蓮に、俺は無意識に眉間に皺を寄せた。
「…んで知ってんだよ」
「さぁな」
それだけ言うと蓮はホールの真ん中に向かって歩き出した。
その先には正俊と龍太、そして玲也の姿。
おそらく生徒会の集まりだろう。
「会長サンも大変だな〜」
不意に秀が妙に間延びした声を出す。
しかし、気になる事が一つ。
「……秀、放して」
「え〜つれないなぁ」
「お前のファンがうっさいの」
俺が見上げると秀は俺の腰に回していた腕を未練がましく離した。
「変態〜」
「淫乱馨ちゃんには言われたくないなぁ〜」
お互いに顔を見合わせてクスクスと笑う。
「んじゃ、食べる?」
「ん〜」
お皿に料理を取り、俺達は一先ず食事を始めた。
「いた、馨夜」
「本当だ」
「馨夜?」
不意に聞こえた声に嫌な予感が頭を過ぎる。
「馨夜、シカトとはいいご身分だな」
「……してねぇし」
「あ、総長じゃん」
おそらくニヤニヤと笑みを浮かべる昇と、その姿を見て驚く秀。
その間に挟まれる様に立つ、俺。
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