篠田学園-1部-
2
「ここが食事会場、立食パーティー式だけど班行動には変わりないからずっと一緒だよ〜」
扉を開けて入ったそこは最早、某アリーナだった。
「デカ…」
BGMの如く聞こえる黄色い…否、黄土色の奇声は無視だ無視。
ついでに、俺に対して向けられる殺気も無視。
その中に“狩島さま”何て考えただけで鳥肌が立つ様な単語が聞こえた。
そこで俺の腕がまだ秀に掴まれたままだった事に気付く。
「狩島さま〜、腕放してくれなきゃいや〜」
「良いではないか、良いではないか」
ふざけてぶりぶりに言ってみれば悪ふざけしてノってくる秀。
どこの悪代官だよ。
「んじゃ、あっち行くか」
やけに上機嫌に、テーブルに向かって歩き出す秀に対して俺のテンションは急降下する。
理由は勿論、後ろにいる蓮。
「会長、なんスか?」
「否、流石だと思ってな」
先程とは打って変わって上機嫌な蓮の手は俺の肩に置かれていた。
クツクツと羨ましい程の低音ボイスで笑う蓮はやはり機嫌よさ気だ。
「何がスか?」
流石に親衛隊がわらわらといる中で蓮に対してタメ口はまずい。
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