篠田学園-1部-
2
「明日はどこ行く〜?」
夕飯前、ホテルの部屋に秀の声が響く。
「買い物行きてぇ」
「久々に馨夜の紅茶飲みたいなぁ〜」
「お、道具一式買ってくれんの?」
「げっ…」
顔を青くする秀に対して上機嫌な俺に、蓮は何故か不機嫌顔で俺を見てきた。
「何、会長」
「何でもねぇよ、オタク」
「はっ、俺そんなに嵌まってるもんなんかねぇし」
「ホント可愛くねぇ」
「男が可愛くて堪るかよ」
お互いが眉間に皺を寄せて悪態をつく。
「仲悪いなぁ〜」
「「煩い」」
「あ、ハモった」
ケタケタと笑う秀に対して俺と蓮の機嫌は急降下するばかりだ。
なんなんだ、こいつ。
タクシーの中とか少しでも蓮が妙に可愛いなんて思った自分が恥ずかしい。
少しくらいなら仲良くなれたかも…とか思ってたりもしたのに。
まぢうぜぇ。
俺は蓮から思い切り視線を反らして寝室へと向かった。
「秀、夕飯の時間んなったら呼んで」
「らじゃー」
ばんっ
大きな音が寝室に響いた。
何の因縁か知らないが寝室には3つのベッド。
真ん中は勿論俺。
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