篠田学園-1部-
7
《じゃ、そうゆうことだ
喫茶店行こうぜ、今ならキョウヤの分は奢ってやる》
《本人に言えよ》
《言ったら紳士的じゃねぇだろ?》
“ここは紳士の国だ”
そう言ってバーナードは俺から離れて行った。
視界の端では親しげに談話する秀と馨夜に話し掛け、無理矢理歩き出すバーナードの姿。
そして何故か秀は俺の隣に。
余程バーナードが嫌いなのだろう。
俺もそんなに悪い奴ではないと思うが、俺自身あまり好かない。
なんと言うか、俺と同じ部類に入る人間なような気がしてならない。
先に行く馨夜とバーナードを追い掛けつつ、俺は溜め息をついた。
どうしてこう、イギリス人は馨夜を気遣った言葉を本人でなく、回りの人間に言うんだ。
バーナードのだってそうだったが、クリスやロイドもわざわざ俺に言ってきた。
「イギリス人てわかんねぇ」
呟いた俺に目を丸くする秀。
「珍し……」
「煩い」
睨み付けると途端に睨み返される。
あほらし…
先に視線を反らしたのは勿論、俺。
その反らした視線の先に写真の人物がいたことに、俺は気づけなかった。
蓮Side...END
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