篠田学園-1部- 6 バーナードがニヤリと人の悪い笑みを浮かべ、視線を俺の後方へと投げる。 《日本の餓鬼は随分と貧相なのが多いんだな》 …て、おい。 《二人とも、取り敢えず180はある筈なんだけど》 《身長じゃねぇよ、薄っぺらいっつってんの》 《あっそ》 素っ気なく返事すると、ゆっくりと歩を進めるバーナードが目に入り、眉をしかめる。 そのままゆっくりと俺の横を通り過ぎようとし、俺は咄嗟にバーナードの逞しい腕を掴んだ。 《余計な事は言うなよ、まだ敵か味方かわかんねぇ》 《はっ、りょーかい》 ぐいっと引っ張り耳元で小さく脅してやると、心底楽しそうな声音で返事が返ってくる。 相変わらずニヤニヤと笑うバーナードに一抹の不安を感じながら、俺は手を離した。 横着して、なるべく近くのカフェに行こうとしたのが運の尽き。 この辺りが、バーナード率いるDestroyのテリトリーだって忘れてた俺が悪い。 でも、取り敢えずいきなり殴り合い…てのだけは避けて欲しい。 俺は不安にこっそりと溜め息をついた。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |