[携帯モード] [URL送信]

篠田学園-1部-
2



それからは夜中に無断で抜け出す事が多くなった。



一度も外に出た事のない俺だから、許可なんか出してくれる訳無いって思ったし。




で、そこで見つけたのが“Home”ってバー。




《いらっしゃい、新入りか〜?》


入って直ぐに声を掛けられた。


声の主はバーカウンターの中に立つ、やけにガラの悪いおじさん。



《ここ、何?》


《あ?バーだよ、つかガキ、親が心配すんぞ》


かっかっかっと笑う男に手招きされて目の前の椅子に座った。


《心配してくれる人なんかいない、多分いない事気付いてないし》


《そりゃ寂しいな、じゃ俺が親父んなってやる!!》


《馬鹿でしょ、追い出さなくていいの?》


《親父んところから追い出す必要あるか!!!!
俺ゃお前くらいの息子が欲しかったんだ》


更に笑う俺の頬は真っ赤。

相当の量を呑んだんだろう。

マスターなのに酔ってんのはどうかと思うが、何故か嫌悪感はなかった。



それから俺は毎日Homeに顔を出すようになって、マスターとは本当に仲良くなった。




それが、俺とマスターの出会い。






.

[*前へ][次へ#]

9/103ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!