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篠田学園-1部-
IN Bus




「篠田、起きろ」


肩をガクガクと揺さ振られて、俺の意識は浮上した。


「え…?くに、ちゃん?」


「………」


「…ごめん」


目を開けたと同時に目に入った槇の真剣顔に、思わずボケてみるが無言で返される。



「何の夢?
うなされてたし、ずっとごめんって言ってた」


「え…?」


「大丈夫か?」



不意に身体に振動が走る。


そういえば、ここはバスの中だった。



そう、今は全校旅行に向かうバスの中。

空港までの道程を学園専用のバスで向かっている途中だ。



展開が早いのはご愛敬って事で…(汗



「ん〜、クリスの紅茶飲んで怒られる夢見てた…
あいつ、まぢで悪魔」



相変わらず隣で真剣な顔で俺をじっと見詰める槇の顔は心なしか青かった。



「嘘は駄目」

「何で嘘だと思うの?」

「黒翼の情報担当を舐めちゃいけないな」



溜め息をつくように言った一言に、俺の椅子の後ろから息を詰める音が聞こえた。


それに気付いたのか、槇は椅子に身を乗り出して後ろに話しかける。


「櫻木、どうかした?
有紫……が真っ青なのは櫻木ね…」


「お前、黒翼のマキか…」


「言ってなかった?」


クツクツと笑う槇と対照的に、慶輔の眉間に皺が寄るのが見なくても手に取るように分かる。


…で、ご察しの通り、俺の隣の席は槇。



そして後ろに有紫と慶輔という世にも奇妙な組み合わせで座っている。





この席を決めたのは暁。

明らかに楽しんでません?



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あきゅろす。
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